Responsive image
秋冬ホウレンソウ品種の使い分けと良作のポイント(タキイ種苗株式会社)
目次
秋冬ホウレンソウについてホウレンソウをよく知る11月に収穫するには…12月に収穫するには…1〜2月に収穫するには…タキイ品種が第66回野菜品種審査会で1等特別賞を受賞!
秋冬ホウレンソウについて
中間地や暖地では、秋~春がホウレンソウの栽培適期ですが、収穫時期によって環境条件が異なるため、必要な栽培管理が違います。今回は収穫時期ごとの栽培管理と品種について解説しますので、栽培の参考にしてください。
ホウレンソウをよく知る
Responsive image

時期ごとの栽培管理を理解していただくために、最初にホウレンソウの生理生態を簡単にご説明します。


●生育適温

ホウレンソウは中央アジア原産で冷涼な気候を好み、生育適温は15~20℃です。耐寒性は非常に強く、-10℃でも耐えることができる一方、暑さには弱いことが特徴です。


●発芽特性

発芽適温は15~20℃で、高温では発芽率が低下します。

種子を覆っている皮は果被と呼ばれ、果肉に相当します。果被が種子内部への吸水を妨げるため、吸水に時間がかかり、コマツナやミズナよりも発芽に時間がかかります。


●開花特性

ホウレンソウは低温で花芽形成するコマツナなどのアブラナ科と異なり、長日条件で抽苔開花します。従って、日長が長くなっていく春の栽培では抽苔に注意が必要です。


●その他の特性

ホウレンソウの生育は栽植密度に大きく影響されます(図)。総じて、密植すると立性になり、生育は促進され、疎植になると開性になり、生育はじっくりになります。そのため、栽培時期に合わせて、株間を調整することが大切です。

また、乾燥条件にはよく耐えますが、過湿には弱く、大雨が降りやすい秋の栽培では注意が必要です。

11月に収穫するには…
Responsive image

●播種時期→9月下旬~10月上旬

まだまだ暑い日があるので、圃場が乾燥していないか注意します。乾燥している場合は適宜潅水を行い、斉一な発芽を心掛けます。日中管理できない方は播種後、「アイスマルチ」をべた掛けしておくと乾燥せず、地温も高くならないため便利です(ただし、1割程度発芽したら、確実に除去してください)。

また、生育が進みやすく、収量が少なくなりやすい時期なので、株間は5~7cmと広めにとってください。


●最適品種→「牛若丸」、「アクセラ」

いずれも生育が比較的旺盛で、株張りのよい多収品種です。発芽ぞろいもよいため、この時期の播種に適しています。 べと病が出やすい時期となるため、レース1~10抵抗性の「牛若丸」がおすすめです。

12月に収穫するには…
Responsive image

後半は寒くなってきますが、ホウレンソウが作りやすく、品質のよいものが収穫できます。


●播種時期→10月中旬

比較的栽培しやすい時期です。播種時期が秋の長雨に遭遇する場合があるので、圃場はしっかり排水できるように準備します。また、株間は5cm程度がよいでしょう。


●最適品種→「弁天丸」、「牛若丸」

生育後半は気温が下がってくるので、低温伸長性のある品種を使用します。

「弁天丸」は立性の草姿で作業性を重視した品種で、「牛若丸」は株張りがよく、収量性を重視した品種です。好みに応じて使い分けてください。

1〜2月に収穫するには…
Responsive image

厳寒期の栽培となり、暖地以外では被覆資材を活用し、生育を促進します。


●播種時期→10月下旬~11月

中間地では生育の進み具合をみて、12月中旬ごろより被覆資材を使用して、生育温度を確保します。産地では有孔のビニールトンネルや「テクテク®ネオ」などの不織布が使用されています。

家庭菜園などでは「テクテク®ネオ」のべた掛けでも十分です。また、生育が進みにくい時期のため、生育が促進するように、株間は3cm前後で密植気味に播種します。

冬どり栽培はすべての作型の中で、もっとも生育期間が長く、収穫までに90~100日かかります。生育中に肥切れを起こさないよう、元肥は多めに施用し、生育中期にも速効性肥料で追肥すること(10a当たりチッソ成分で3kg程度)をおすすめします。


●最適品種→「弁天丸」

「弁天丸」は低温伸長性があり、耐寒性も強いため、この時期の栽培にぴったりです。「弁天丸」は機能性成分ルテインを多く含む「ファイトリッチ」品種で、ルテインは寒さにあたることで成分量が増えていくことが分かっています。

また、糖度も高くなりやすい品種のため、食味がよく、甘くておいしいホウレンソウが収穫できます。ぜひお試しください。

タキイ品種が第66回野菜品種審査会で1等特別賞を受賞!
Responsive image

さる、2015年12月11日に第66回野菜品種審査会(ホウレンソウ部)が鹿児島県農業開発総合センターで行われ、タキイ交配「TC-011(TSP-537)」が1等特別賞に輝きました。

「TSP-537」は在圃性のよい秋冬どり種でべと病レース1~12、14、15に抵抗性をもっています。